糖尿病の足のタコは“潰瘍の前触れ”?
- 戸原 遼先生
- 4 日前
- 読了時間: 3分
「ただのタコだから大丈夫」と思っていませんか?
糖尿病のある方にとって、足裏のタコ(胼胝:べんち)は深い潰瘍(かいよう)への入り口になる可能性がある大事なサインです。
本日お伝えしたいこと
糖尿病のタコが危険な理由
放置するとどうなる?
今日からできるセルフケア
再発予防と専門的治療
糖尿病のタコが危険な理由
糖尿病が長く続くと、糖尿病性神経障害(足の感覚が鈍くなる状態)が起こり、痛みに気づきにくくなります。

靴の圧迫や体重の偏りが続き、皮膚は自分を守ろうとして角質を厚くします。これがタコ(胼胝)です。しかし、タコは単なる“硬い皮膚”ではありません。
「ここに過剰な圧がかかっています」という警報なのです。
研究レビューでは、足底の高い足圧(足の裏に集中する圧力)と潰瘍発生の関連が報告されています。また、神経障害の存在が足潰瘍の主要な危険因子とされています。
タコを放置するとどうなる?
厚い角質の下では、内出血や組織損傷が起きていることがあります。
進行すると皮膚が破れ、糖尿病性足潰瘍(治りにくい足の傷)へと進展する可能性があります。
糖尿病性足潰瘍は感染を伴いやすく、重症化すると骨髄炎(骨の感染)や壊疽(組織の壊死)に至ることも報告されています。国際ガイドラインでも、タコや足圧集中部位は潰瘍の前段階として注意すべき所見とされています。
「痛くないから」と放置していた足裏のタコの下に血豆ができ、気づいた時には潰瘍に。。治療に約3か月を要し、ときには入院になることも。早期に処置していれば防げた可能性が高いケースということもあります。
今日からできるセルフケア
✔ 毎日足の裏を観察する(鏡を活用)
✔ 赤み・水ぶくれ・爪の変形もチェック
✔ ぬるま湯で洗い、よく乾燥させる
✔ 保湿剤で皮膚を柔らかく保つ
※自己処理で削るのは避けましょう。
市販の角質削りや貼付薬は、気づかないうちに傷を深くする可能性があります。
ガイドラインでも、定期的な専門的フットケア(足の医療的ケア)が潰瘍予防に有用と報告されています。
タコは削るだけではダメ。再発予防と専門的治療

タコは削るだけでは再発しやすいです。
重要なのは足圧の分散(オフローディング:圧を逃がす治療)です。
✔ 足底板(オーダーメイドインソール)
✔ クッション性の高い靴
研究では、適切なインソールの使用により潰瘍再発リスクが低下する可能性が示されています。「同じ場所にタコが繰り返しできる」場合は、歩き方や靴の見直しが必要です。
歩行のクセを知り、日々のチェックで早期発見、早期対応していくことも大切です。
足の専門クリニックでは、足と歩行のトラブル全般の診療を実施しています。
100歳まで歩ける足づくりを目指して、患者様とともによりよい治療を選択・実施できるよう、日々の診療を行っております。
糖尿病の足のタコは、「潰瘍の前触れ」の可能性があります。
痛くないからこそ、注意が必要です。
足を観察してタコができていたら、トラブルになる前に早めにご相談をおすすめします。
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本コラムは、足と歩行のクリニックリジェ六本木院の戸原遼医師に執筆していただきました。
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